世界遺産取り消しの危機がある富士山のゴミ問題

富士山といえば「日本一高い山」「世界遺産」など普遍的価値のあるイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし一方でゴミ問題といった極めて深刻な状況を示す「ゴミ問題」が浮上してきています。
美しさや雄大さを一目見ようと毎年国内のみならず世界中から観光客が訪れてきていますが、それに伴いゴミが溢れるという実情を抱えているようです。
今回は世界遺産取り消しの危機がある「富士山のゴミ問題」について解説していきましょう。

ゴミ問題の現状について

日本を象徴する富士山は、2013年6月にユネスコ世界遺産に登録されました。
山梨県と静岡県の境に立地し、太古から日本のシンボル、霊峰として崇められてきました。
しかし、実際に富士山を登ってみると至るところに空き缶やペットボトルなどのゴミが捨てられていることが確認できます。
これは、富士山の登山客が増え続けると共に不法投棄する人がどんどん多くなっていることが原因のようです。
しかし、実際は登山者によるポイ捨てだけが原因ではありません。
富士山は5合目まで自動車で登ることができます。
この時車からゴミを気軽に捨ててしまう人が多く、山を愛する気持ちがないことも要因になっているようです。
都心ではたばこのポイ捨てや不法投棄があっても、行政による対策が行われればすぐになくなりますが、山の場合はそういうわけにはいきません。
紙くず、たばこの吸殻、空き缶などのように自然に還ることのできないゴミが捨てられることによって、永久的に放置された状態になってしまいます。
景観を乱してしまうことはもちろん、場合によっては地下水や土壌を汚染させてしまう可能性もあるでしょう。
このままでは豊かな自然という生態系にまで影響してしまうかもしれないのです。

富士山の清掃活動に注目

富士山に捨てられているゴミを少しでも減らそうという目的で、環境庁はサブレンジャーによる活動を実施しています。
清掃活動といっても単純にゴミを拾うことと同時に8合目まで登っては下りを繰り返す辛い作業を伴うことになります。
中には登山客が清掃活動を行っているサブレンジャーにゴミを預けるといった勘違いの行動をとる人もいるようです。
山頂に到着するまでの間に集めたゴミが10kgほどになることもあり、それだけ多くの人達がゴミを投げ捨ててしまっているということになるでしょう。

世界遺産である富士山のゴミ問題を解消するためには、捨てられたゴミを拾う清掃活動を実施することよりも、一人ひとりのゴミに対する意識改革が必要です。
登山者は必ずゴミを持ち帰るようにすればこのようなゴミ問題は起きません。
富士山に持ち込んだゴミは必ず各自で持ち帰るよう徹底しましょう。

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