昔からの防寒着、長野に伝わる「なぎそねこ」

長野県北西にある、南木曽町は、国選定重要伝統的建造物群保存地区の妻籠宿や近代文化遺産の桃介橋や、温泉など、歴史と観光が盛んな地域です。そんな信州の南木曽町に古くから伝わる「なぎそねこ」について紹介していきます。

「なぎそねこ」、と聞くと猫をモチーフにした伝統工芸品だと思いがちですが、実は防寒着のことを言います。「ねこ」とは、肩から背中、腰まで覆った袖のない半纏です。では、なぜ半纏なのに袖がないのでしょうか。それは、伝統工芸品を作る際に邪魔になる袖をなくし、冷えてしまう背中や腰だけを温められるように工夫されているからなのです。

2013年には、この機能的なデザインと保温性を生かし、長野県が取り組む省エネ対策と、地震により被害を受けた長野県栄村の復興支援とし、「なぎそねこ」を活用した「省エねこ」をウォームビズ事業として発表しています。

各家庭によって様々なデザインのある「ねこ」ですが、省エネ対策のために、スーツの下に着てもベストのような形の為、前は自由に動けて、背中は暖かいので現代のファッションにも取り入れられる機能性があると言えます。また、復興支援事業として、長野県内にとどまらず、東日本大震災の被災地へ「ねこ」を届ける「ちくちくボランティア」という活動も行われています。

このようにして、伝統的な半纏である「なぎそねこ」ですが、現代風に形を変え、日本各地へ広がっています。

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