エコと聞くとリサイクルやエネルギーを削減するなどの取り組みをイメージしますが、エコライフの一部に「エコツーリズム」という取り組みがあります。
あまり馴染みのない言葉に思う方も多いかと思いますが、自然や歴史文化を通じて保全活動の意識を向上させる狙いがあるようです。
それでは、エコツーリズムについてご説明していきましょう。
■エコツーリズムについて
エコツーリズムとは、自然や歴史文化を観光や体験で学びつつ、資源を保護する意識を高めていくことを定義にした旅行プログラムのことです。
1980年後半から世界で広まり、日本では1997年にエコツーリズム推進協議会が発足されています。
最近、旅行代理店のパンフレットや旅行雑誌でも自然体験に特化したツアーが登場しており、これらはツーリズムの定義に基づいてプロジェクトされています。
ツアー内容は各社で異なりますが、登山やハイキング、森林浴、史跡巡り、発電所や地元酒蔵見学など様々なプログラムのツアーが企画されているようです。
■地域振興や環境教育にも有効
日本では環境省や国土交通省、農林水産省、文部科学省の推挙により、2008年からエコツーリズム推進法が施行されています。
この法律は自然環境の保全が第一の目的ですが、次に観光や地域の振興、さらに環境教育を推進する狙いもあるようです。
エコツーリズムに基づいたツアーに参加することで、自分の知らない自然環境や文化を学ぶことができ、同時に資源の価値や重要さ見直す機会となるでしょう。
また、今まで気付かなかった新しい観光地が見つかり、出かけた先で食事や買い物をすれば経済効果につながるので地域振興にもなります。
活動が活発な地域になれば仕事も増え、減少傾向のある地域雇用が安定化し、若い労働者が増加する可能性も考えられるでしょう。
■エコツーリズムで意識すること
エコツーリズムを通じて環境保護の意識が高まりつつある一方、環境に悪影響を及ぼすリスクも懸念されています。
参加者の中にはゴミを放置する人もいて、そのせいで景観が損なわれることがあるようです。
また、自動車で訪れる方もいらっしゃると思いますが、車の排気ガスが環境に害を与えてしまうこともあります。
他にも野生動物に餌を与えてしまう人が多いことから、狩りで獲物を得られない動物が増え、生態系の問題や人慣れによるトラブルも多発しているのです。
地域としては多くの人が訪れてくれる良い機会である一方、ツーリズムは環境保全を意識したものなので、参加者はその意識を持って参加することが望ましいでしょう。
エコツーリズムは自然環境と地域の歴史・文化について、体験や見て回ることで学ぶことができるので、子どもの教育によく、大人にとっても新たな発見があり、エコに対して見直せる機会となるでしょう。しかし、行動を一歩間違えれば環境保全とはかけ離れてしまうので、その点を注意して参加することが大切です。