生ごみをエネルギーにする

近年では、できる限りごみを減らそうという取り組みの重要性が指摘されています。中でも首都圏では大量の食品廃棄物が発生していますが、食品廃棄物の大部分はリサイクル可能であることがわかっています。そこで今回は、生ごみをエネルギーにする食品リサイクルについてご紹介していきましょう。

■バイオエナジーとバイオマス

食品廃棄物のリサイクルは十分に整備されているとは言えないものの、環境合理性を欠いた食品廃棄物の処理方法から脱却し持続可能で循環的な処理方法に転換・継続を目指す「バイオエナジー」が注目されています。「バイオマス」はエネルギー資源として利用できる生活資源・畜産資源・農林資源・林産資源などの有機性資源を言いますが、これらはリサイクルすることが可能です。バイオマスは環境の負荷が少ないエネルギー資源として高い関心が寄せられています。

バイオエナジーはメタン発酵によるリサイクルですが、バイオマスを活用した技術の1つであり、環境に与える影響が少ないのが特徴です。現在は食品廃棄物を飼料化・肥料化する方法もありますが、それらは分別が厳しく、受け入れにも様々な制約があるため、将来的に安定した再生品を出していくにはバイオエナジーにおける処理方法が適していると言われています。

■バイオエナジーは将来性が高い

バイオエナジーは食品廃棄物を分解し、メタンガスを主成分とするバイオガスを回収します。そのバイオガスをガスエンジンで発電することにより、電気と熱のエネルギー生み出し、都市ガス精製設備で都市ガスを作ることができます。通常であれば焼却され埋め立て処分が成される生ごみからエネルギーを作ることができるのです。都市部では、食品廃棄物の油分や塩分、糖分や不適物が混入しているケースが非常に多いとされています。

メタン発酵技術は、そのような食品廃棄物の再生利用に最適です。肥料化・飼料化と比較しても、リサイクル品が電気や熱などのエネルギーとなるため、都市部での需要も良く、将来的に見ても継続しやすいリサイクル方法となります。

生ごみをそのまま捨てるのではなく、有効な資源としてリサイクルすることは地球環境を考えても大切なことであると言えます。しかし、肥料化や飼料化にはリスクもあり、最適で高いリサイクル率を実現する方法が必要なのです。バイオエナジーは、電気や都市ガスを作ることができ、食品廃棄物の不適物があっても再生することができます。

これまでは食品廃棄物のリサイクルは難しいと言われてきましたが、今後はエネルギーとして再活用されていくことが可能になるのではないでしょうか。

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